子ども(選手)は言ったことしかしない
自分で考えて行動できるようになってほしいのに
スポーツをする上でも、学校や生活などにおいても、子ども達に主体的に考えて行動する力を身につけてほしいですよね。私もそうです。
なのに、私の知る限りでは、自主性を大切にしたいというチーム、先生、学校、塾、家庭はあっても、それを本気で目指したり、実践したりしている集まりはあまり見かけません。
なぜなのでしょうか?
私は12年間小学校で勤めており、ずっとジュニアスポーツにこだわりをもって指導しています。現在は、私立の教員をしつつ、プロチームのスクールコーチとして、下は年中、上は中学生まで、また、保護者の皆さんと関わっています。
今回の記事をご覧いただくと
- 子どもたちのおかれている環境について詳しくなります
- 主体性が育つプロセスが分かります
- 主体性を育てるためのサポートの仕方が分かります
私たちは「全ての子ども達のために」という思いを強く持っています。
しかし、その思いが強いために、選手や子ども達を縛り付けてしまうこともあります。
子ども達の「選択の機会」を尊重し続けることが主体性を育てるのです。
どんな環境にいるの?
公教育(学校体育)と社会体育(総合型地域スポーツクラブなど)
子ども達が普段生活する場所は、自宅以外では、ほぼ「学校」です。週5日、8時ごろから15時ごろまで、時間を過ごします。
その他には、放課後やお休みの日に通っているスポーツクラブや少年団などの習い事です。
普段は、あまり意識をしていないと思うのですが、学校の「公教育」と、クラブチーム・少年団・スクールの「社会体育」との違いを簡単に整理しようと思います。
公教育~全ての人~
「公教育」とは、すごーく簡単にいうと、
『すべて』の子どもに、 自由になる力能 を身につけてさせる
引用元:苫野一徳著「教育の力」
ことです。で、その公教育の中にある「学校体育」では、当然、すべての子どもが力(筋肉とかではないです。笑)をつけるためにやります。
詳しくは、苫野一徳 著「教育の力」を参照にしてください。めちゃくちゃお勧めです。
社会体育~やりたい人~
一方、「社会体育」とは、コトバンクでこう説明されています。
本来人々が自発的に参加し,自主的に行なうスポーツ活動などに対するサービスであり,目的と計画性をもった組織的活動をさす。
引用元:コトバンク
また、現在では、総合型地域スポーツクラブというのもあります。
つまり、「やりたい人が来て(集まって)、自主的にやる」ということです。
社会体育(総合型地域スポーツクラブなど)→やりたい人(興味ある人)
「辞められる」かどうか
公教育と社会体育では、選択に差があります。
公教育では、興味がない子には、「辞める」という選択肢がありません。
しかし、社会体育には、「辞める」という選択肢があります。
この選択肢はネガティブに捉えれてしまいがちですが、そんなことはありません。
私たち指導者が、これらの違いを知っていることが大切なのです。
どうやって主体性を育てるの?
選べない環境
私は今、 小学校の先生 をしています。そんな私が痛感していること。それは、学校には、
「選ぶ自由」がない
ということです。
行政が決める「年齢集団」
先生が何を言うかを決めている「朝の会」
先生(学校)が決めた「時間割」
教科書通りという「学び」
先生が作った「宿題」など
挙げればキリがありません。
北海道で先生をされている古田直之さんがその辺りを紹介しています。特に「ロープウェイ型授業」、「『ロープウェイ型授業』事故事例集」は、学校あるあるです。
まとめると、子ども達は学校では、「受け身」なんです。
なにもしなくても進むんです。
だから、「 自分で選ぶ」練習をしなくちゃいけないんです。
自主性を育てるプロセス
広辞苑によると、「選ぶ」とは以下のように書かれています。
二つ以上のものの中からこれと思うものを抜きとる
引用元:広辞苑
では、だれが、「これと思うもの」を決めるのだと思いますか?そう。
「これと思うもの」を決めるのは、
「自分」じゃ
次に問題になるのは、いつ、「これだと思うもの」を決めるのだと思いますか?
よく「1年生だから」「10歳だから」とか聞きますが、それって、関係ないんです。
2.自分で選択する
3.失敗する・成功する
4.振り返る
2歳の我が子でも
これ、いや!●ーマス がいい!
って言います。「わがまま」という言葉がありますが、それは、裏を返すと、
信念が強い
のです。「いやいや期」は、自分の信念を表現する大切な時期なんですね。
※まだブレーキが育っていないので、アクセル全開な状態。
拘れば拘るほど、それの良さや難しさに気づく。
そうやって、人は成長するのだと思うのです。
サポートの仕方はシンプルに
(一社)リレーションシップ協会の代表藤代圭一さんは、質問を2つに分類しています。
質問には「効果的な質問」と「尋問」の2つの種類があります。
子どもたち選手へと向けた質問が好奇心を刺激し、やる気にさせ、新たな発見に心を開かせ、成功へと導くことがあります。その一方で、希望を奪い、無気力にし、失敗へと導くこともあります。
「なんで?(WHY)」と問いかけると、多くの場合において「言い訳」が返ってきます。
「どのようにすれば?(HOW)」と問いかけると、その選手自身からアイデアや改善策が返ってきます。
選択肢を提示し、子ども達が決めたことを見守ってみてください。
そして、「どうやったの?」「うんうん、それで?」と聞いてみてください。